「S&P500は好調だけれど、このまま米国株を買い続けてよいのか」
「定年が近づくなかで、株式だけのポートフォリオに不安を感じる」
50代で資産形成を続けていると、このような悩みが出てきます。私自身、2020年1月からNISAを中心に投資を続けた結果、米国株の比率が想像以上に高くなっていました。
そこで2026年秋からは、S&P500などの保有資産を急いで売るのではなく、新しく投資するお金を非米国株・債券・金へ振り向ける方針に変えます。
この記事では、私の実際の保有状況を基に、なぜ投資先を変えるのか、何を増やし、何を追加しないのかを具体的に紹介します。
この記事の結論
- S&P500・QQQM・FANG+・AAPLは売却せず、追加を抑える
- 月132,603円はオルカンと米国を除く全世界株へ積み立てる
- 債券を8~10%、金を5%前後へ少しずつ増やす
- 日本株は基本保有し、下落時だけ選別する
現在のポートフォリオを確認して分かったこと
2026年8月29日時点で、楽天証券、SBI証券の国内口座、SBI証券の米国株口座を合算しました。ブログでは資産総額そのものは公開せず、資産配分の比率を掲載します。
| 資産分類 | 現在の概算比率 |
|---|---|
| 米国株・米国株投信 | 44.0% |
| 米国グロース・テーマ | 10.2% |
| 日本株 | 23.1% |
| 世界・先進国株 | 12.3% |
| インド・新興国株 | 3.2% |
| 米国長期債(TLT・2255) | 3.4% |
| 金(1328・GLDM) | 3.6% |
| MMF・口座内現金 | 0.2% |
※楽天証券・SBI証券の保有データを基にした概算です。銀行預金、生活防衛資金、個人向け国債、企業型DC、iDeCoなどは含みません。世界株・先進国株の投資信託にも米国株が含まれるため、上表だけでは実質的な国別比率を正確に表せません。
米国株と米国グロースだけで54.2%あります。オルカンやVTなどの内部にも米国株が含まれるため、実質的な米国比率は60%を超える可能性があります。
米国大型株が重なっている
私の保有資産には、S&P500連動商品、QQQM、FANG+、AAPLが含まれています。これらは別の商品ですが、S&P500やNASDAQ100の上位には同じ米国大型テック企業が多く含まれます。
商品数が多いことと、投資先が十分に分散されていることは同じではありません。今回の見直しで最も重視したのは、新しい商品を増やすことではなく、重複する投資先への追加を止めることです。
2026年秋以降の投資戦略
1.S&P500・QQQM・FANG+・AAPLは売らず、追加を抑える
これらは今後も保有します。米国企業の成長力を否定したわけではなく、すでに十分な金額を保有しているためです。
FactSetの2026年8月7日付資料では、S&P500の2026年通期利益は前年比30.0%増と予想される一方、予想PERは20.0倍で過去10年平均の19.0倍を上回っていました。業績見通しは強いものの、過去平均と比べて明確に割安とは言いにくい水準です。
私の方針は、米国株を売るのではなく、新規資金を集中させないことです。相場の高値や安値を正確に当てるのではなく、保有比率を少しずつ整えることを優先します。
2.毎月132,603円はオルカンと米国を除く全世界株へ積み立てる
2026年9月以降の積立は、次の配分を予定しています。
| 積立先 | 毎月の金額 |
|---|---|
| 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 62,603円 |
| 楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド(楽天・VXUS) | 70,000円 |
| 合計 | 132,603円 |
オルカンにも米国株は含まれます。一方、楽天・VXUSは米国を除く先進国・新興国へ投資するため、組み合わせることで新規積立に占める米国比率を抑えられます。
米国を除く全世界株へ投資する「楽天・VXUS」の対象国、構成比、メリットと注意点は、楽天・VXUSの詳しい解説記事にまとめています。
既存資産を売らず、新規資金で地域分散する方法です。私は最低1~2年を目安に継続し、半年ごとに資産配分を確認します。
積立額を月10万円から132,603円へ増やした理由は、生命保険を解約して新NISAの積立を月10万円から132,603円に増やした理由で詳しく紹介しています。
3.債券は3.4%から8~10%を目安に増やす
今回の3口座では、TLTと2255を合わせた米国長期債の比率は3.4%でした。定年まで約5年半となった現在は、株式の値上がりだけを追うよりも、値動きの異なる資産を増やす必要があると考えています。
米財務省による2026年8月28日の米国債利回りは、10年4.73%、20年5.21%、30年5.22%でした。長期債の利回りは魅力的に見えますが、金利がさらに上昇すればTLTや2255の価格は下落します。
特にTLTは、2026年8月27日時点の実効デュレーションが14.95年です。一般にデュレーションが長いほど金利変動に対する価格の反応が大きくなるため、TLTを預金のような安全資産とは考えていません。
注意:TLT・2255は米国債へ投資する商品ですが、価格が安定しているとは限りません。長期金利が上昇すると大きく値下がりする可能性があり、米国ETFには為替変動リスクもあります。
個人向け国債と長期債ETFは役割が違います。
- 個人向け国債「変動10年」:円建てで元本変動を抑える部分
- TLT・2255:米長期金利低下時の値上がりも期待する部分。価格変動と為替変動を受け入れる
以下は2026年8月29日時点の私自身の管理基準です。将来の価格を保証・予想するものではありません。
| 商品 | 小さく追加する水準 | 追加額を増やす水準 |
|---|---|---|
| 2255 | 200~202円 | 196~199円 |
| TLT | 81~83ドル | 78~80ドル |
これは将来の価格を予想した推奨値ではなく、私自身が一括購入を避けるための管理基準です。市場金利、為替、投資余力が変われば見直します。
4.金は3.6%から5%前後を目標にする
金は1328とGLDMを保有しており、3口座の3.6%です。株式や債券とは異なる値動きを期待できるため、金は5%前後を目安に一括購入せず、比率が低下したときに少額ずつ追加します。
5.日本株は基本ホールドし、下落時だけ選別する
日本株は23.1%で、私が考える20~25%の範囲内です。銀行、保険、商社、通信、医薬品、エネルギー、自動車、住宅などに分散しています。
日銀は2026年7月の金融政策決定会合で、無担保コールレート翌日物を1.0%程度で推移させる方針を維持しました。金利上昇は銀行や保険の収益環境にプラスとなる場合がありますが、景気や保有債券への影響もあるため「金利上昇なら必ず金融株が上がる」とは考えません。
日本株は基本ホールドし、相場全体の下落時に業績、配当方針、財務、取得単価を確認して選別します。
6.オルカン高配当は今のところ追加しない
現在の私は、VYM、SBI・S・米国高配当株式ファンド、日本の配当株、商社、銀行、保険、通信株をすでに保有しています。
今は新しい高配当商品を増やさず、通常のオルカンと米国を除く全世界株で地域分散を進める方が合っています。
2~3年後に目指す資産配分
世界株ファンドの中身を国別に分解した「ルックスルー」で、次の中心値を目安にします。
| 資産 | 目標の中心値 |
|---|---|
| 米国株 | 47% |
| 日本株 | 22% |
| 米国・日本以外の株式(新興国を含む) | 17% |
| 債券 | 9% |
| 金 | 5% |
| 合計 | 100% |
オルカンやVTに含まれる米国株も米国株として分解したルックスルー基準です。生活防衛資金と近い将来に使うお金は、この運用資産とは別に確保します。
もし新たに100万円を配分するなら
| 投資先 | 金額 |
|---|---|
| オルカン・米国を除く全世界株 | 35万円 |
| 個人向け国債「変動10年」 | 25万円 |
| TLT・2255 | 20万円 |
| 金(1328・GLDM) | 10万円 |
| 日本株の下落時に備える現金 | 10万円 |
| S&P500・QQQM・FANG+への追加 | 0円 |
S&P500を売る戦略ではありません。すでに十分保有しているため、新しい100万円を別の役割へ振り向ける戦略です。
この戦略のメリット
- 含み益のある米国株を急いで売らずに地域分散を進められる
- 売却時期を一度に決める必要がない
- 株式以外の債券と金を増やし、大幅下落への耐性を高められる
- 新しい商品を増やしすぎず、各資産の役割を整理できる
デメリットとリスク
- 米国株が今後も他地域を上回れば、米国株だけを買う場合よりリターンが低くなる可能性がある
- TLTと2255は長期金利が上がると大きく値下がりする可能性がある
- 米国ETFには為替変動リスクがある
- 金は利息や配当を生まず、価格が長期間低迷することがある
- 目標配分を細かく追いすぎると、不要な売買を増やすおそれがある
この戦略が向いている人・向かない人
向いている人
- S&P500やNASDAQ100を長く積み立て、米国株の比率が高くなった人
- 定年までの期間が短くなり、株式以外の資産も増やしたい人
- 保有資産を一度に売らず、新規積立で配分を整えたい人
- 半年から1年単位で資産配分を確認できる人
向いていない人
- 20年以上使う予定がなく、株価下落にも耐えられる若い投資家
- 米国株への集中を理解したうえで、最大リターンを優先したい人
- TLTの価格変動や為替リスクを許容できない人
- 生活防衛資金をまだ確保できていない人
私が実行する手順
- 米国大型株への追加を抑える
- 月132,603円の積立先を変更する
- 個人向け国債と長期債ETFを段階的に追加する
- 金と日本株は比率・価格条件を確認して追加する
- 半年ごとに資産配分を確認する
まとめ|銘柄を増やす段階から、資産配分を整える段階へ
2020年から投資を続け、米国株の上昇から大きな恩恵を受けてきました。一方で、S&P500、NASDAQ100、FANG+、AAPL、オルカンなどを重ねた結果、見た目以上に米国大型株へ偏っています。
- 米国株は売らず、追加を抑える
- 新規積立で米国以外の株式を増やす
- 債券を8~10%、金を5%前後へ近づける
- 日本株は20~25%を目安に、下落時だけ選別する
- 半年ごとに確認し、売却より新規資金で調整する
今の私に必要なのは、さらに銘柄を増やすことではありません。定年まで約5年半という時間を踏まえ、資産を増やしながら、大幅下落にも耐えられる配分へ少しずつ移行することです。
米国ETFを中心に投資していた2025年の方針と今回の変更点は、新NISA「成長投資枠」の戦略と保有銘柄を公開で比較できます。
投資に関する注意事項
本記事は、私自身の保有状況と判断基準を紹介するものであり、特定の商品や銘柄の購入を推奨するものではありません。株式、投資信託、ETF、債券、金には価格変動や為替変動があり、元本割れの可能性があります。投資判断は、ご自身の資産状況、投資目的、リスク許容度を確認したうえで行ってください。


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